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徒然もの書きぱん

適当にアニメとかについて書いてます。今期は何について書きましょうか。

アニメ映画『ARIA The AVVENIRE』の感想 ~10年を経てもなおARIAはARIAのまま~

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はじめに

 こんにちは。

 先日ARIAの続編となる『ARIA The AVVENIRE』を見てきました。素晴らしい続編であったと思います。その感想と今後のARIAについて書いていこうと思います。

 ネタバレが前提です。それでは書いていきます。
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ARIA The AVVENIRE

 今作は3部編成でストーリーが展開していく。アイちゃんがARIAカンパニーに入った後を現在とし、灯里がシングルだったころを過去として描いている。現在から入り、過去への回想という形で話が展開していく。

 全体を通して感じたことは「10年を経てもなおARIAはARIAのまま」ということ。見ている世界は常にネオ・ヴェネツィアで、人と人の想いをつなげ続ける。新キャラが入っても空気感は変わらないし、「灯里と藍華とアリス」の関係が「アイとあずさとアーニャ」という関係にシフトしていった。これまでと同じように先輩世代と後輩世代のつながりも描かれており、過去がきれいに未来へとつながっていった。ARIAの空気を維持したままの続編となっていた。

 もうひとつ注目すべきは「アテナ」である。担当声優であった川上とも子さんが亡くなり、アテナとして新規のセリフを追加することができなくなってしまった。
 もちろん声優変更という手段もあっただろう。しかし、これまでのARIAを通して川上とも子さん以外の人がアテナをやるということは、制作陣から見てもファンから見ても嫌というよりは難しいという気持ちになる。だからこそ、僕はアテナの声優変更を行わなかったことを賞賛している。

 それでは各話の内容について触れていく。

capitolo1「その 逢いたかったあなたに…」

 内容は原作10巻「Navigation 46 誕生日」となる。

 ARIA恒例の牧野由依さんの歌からストーリーが動き出す。歌はANIMATIONのオープニングテーマ「ウンディーネ」である。

 「Navigation46 誕生日」はアリシア、晃、アテナが3人でいたいと思い、それが実現した奇蹟のような話。
 灯里が晃とふたりでアリシアを探そうと言い出したことも胸が暖かくなる。
 それに、プレゼントを渡す一連の流れがすごく美しかった。二人が諦めようとしていたところでアリシアが現れる。どこからともなくアテナのカンツォーネが響き渡る。不安定なゴンドラの上から全力でプレゼントを渡そうとする晃の行動。プレゼントを受け取り頬を少し赤らめるアリシア。こういう自分の気持ちをまっすぐに伝え、まっすぐに受け止める関係こそがARIAだ。
 またアテナが絡んでくる話であるため、一部原作とは異なっている。本来であればアテナから「お誕生日おめでとう!」という言葉がある。それを歌で表現しており、非常にうまい演出であるように思った。

 アリシアの誕生日に起こった奇蹟と同様に、藍華とアリスと水路ですれ違う。これも立派なみらくるだ。

capitolo2「その 暖かなさよならは…」

 内容は原作11巻「Navigation 53 ケット・シー」となる。

 「Navigation 53 ケット・シー」は灯里がケット・シーに最後のお別れをする話。
 今までたくさんの不思議をもらっていた灯里がケット・シーから別れを告げられる。つながりとして蒼い結晶をもらい、ケット・シーとの物語に幕を閉じる。
 灯里とネオ・ヴェネツィアのつながりはケット・シーがくれたものでもあり、それを失うということは甚大な喪失感があったと思う。でもそれを前向きに捉えることのできる灯里。それがcapitolo3につながっていく。

 capitolo2の肝は、アイがケット・シーの影を見つけたということにある。灯里が持っていたケット・シーとの出会いが、アイへと引き継がれていくのである。それによってcapitolo1ですれ違ったゴンドラに乗っていたあずさとアーニャへの出会いへとつながっていく。
 たしかに灯里がケット・シーと出会えなくなったことはとても悲しいことである。しかし、その不思議がアイへと引き継がれ、新しい出会いを生んだ。それもひとつのみらくるであり、ケット・シーが生んだ奇蹟だ。

capitolo3「その 遙かなる未来へ…」

 内容は新規となる。忙しくなった灯里と藍華とアリスをなんとか会わせようと、アイとあずさとアーニャの3人が画策する話である。それに加えて、なぜアリシアがゴンドラ協会で働くことになったのかと灯里を昇格させる葛藤について描いている。

 ここに関してはあまり紹介しないが、アリシアに夜光鈴との別れについて聞かれた時の灯里のセリフを。

「淋しかったですよー。ものすごく。お別れは何時だって淋しいです。この夜光鈴の時も、雪虫さんの時もゴンドラの時も。すっごく、すっごーく淋しくて悲しかったです。」

「でもそれはたぶんいいことなんですよ。アリシアさん。淋しければ淋しいほど。悲しければ悲しいほど。それは…大好きな存在ができた証なんです。」

「これは間違いなく一生モノだって思えるような。キラキラ輝いてまぶしい―愛おしいものたち。だからこの切ない想いも、また、幸せモノの証なんですよ。」


――パンフレットの描きおろしマンガより

 このセリフは同様の内容であるパンフレットの描きおろしマンガからの引用である。このセリフがこれまでの淋しいと感じていた思いを一段上に昇華させてくれた。ケット・シーとの別れも灯里にとってはもちろん淋しいこと。でも淋しいと思えるだけの存在になったことが嬉しい。ARIAの全てを肯定する素晴らしいセリフであると思う。
 アリシアが灯里との別れを淋しいと思っていたことは、それだけアリシアにとって灯里が特別な存在であり、その特別な存在を守っていくためにも進まないといけない。そう決心させてくれるのに十分なセリフであったと思う。その決断が「アリシアと晃とアテナ」から「灯里と藍華とアリス」へとつながり、「アイとあずさとアーニャ」へと広がっていくきっかけとなっている。過去から未来へと受け継がれている。

 そんな素晴らしい内容だったと思う。

パンフレットについて

 パンフレットは約100ページあり、キャストのインタビュー、天野こずえ先生と佐藤順一監督の対談、capitolo3の一部となっている描きおろしマンガ42ページで構成されている。インタビューには川上とも子さんのページもあり、アテナは永遠に川上とも子さんのものなんだなと感じた。マンガは言わずもがな、素晴らしいクオリティであった。「ファンなら必ず購入するべき!」と心の底から言える内容であった。
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ARIAの今後について

 この映画を見て感じたのは、「続編を作るのは可能」ということ。世代が移り変わることによって、元水の三大妖精であるアリシア、晃、アテナの出番を減らし、焦点を当てる世代をアイたちにもっていく。そうすることで、川上とも子さんの穴を埋めることは可能である。アイたちが作り出す世界も気になるし、灯里たちの引退まで見届けたいという気持ちはもちろんある。

 しかし、僕たちは灯里の言うとおり、ARIAが終わってしまったという切なく淋しい思いを大切にするべきなのではないか、とも思う。傑作という形で終わりを迎え、この劇場版でまた一つ傑作として終わりを迎えた。だからこそ、新作を期待するべきでは無いという気持ちもある。

 もし新作が決まれば全力で応援する。しかし、新作が決まらなくてもARIAが好きという気持ちは残り続ける。それで良いのではないかと思う。ARIAが続いても続かなくても、僕達のARIAへの気持ちは続いていく。それでいいと思う。

まとめ

 ARIA The AVVENIREの感想について書き連ねました。本当に楽しみにしていて、期待していた以上の出来で、でも終わってしまったことが淋しい。この淋しさを大切にしていくのも、作品との向き合い方かなと思います。このような素晴らしい作品を作って頂いた天野こずえ先生、佐藤順一監督、スタッフ・キャストの皆さん。本当にありがとうございました。ARIAという作品のおかげで、日常にあるほんの少しの幸せを大切にすることを学ばせて頂きました。僕にとって、人生の教科書のような存在になりました。これからもARIAに教えてもらった教えを、胸に抱きながら生活していきたいと思います。本当にありがとうございました。

 みなさんとともにこの素晴らしい作品を共有できたことを心から嬉しいと思います。今後ともARIAという世界を共に見守っていきましょう。

 以上です。それではまた別の記事でお会いしましょう。

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原作:天野こずえ
監督/シリーズ構成:佐藤順一
脚本:吉田玲子
助監督:名取孝浩
キャラクターデザイン:音池正行
美術監督:川上喜美
撮影監督:吉田寛
3DCGI:平将人
3Dモデリング:小林武人
編集:西山茂
音楽:Choro Club feat. Senoo
主題歌アーティスト:西沢幸奏
音楽制作:フライングドッグ
アニメーション制作:TYOアニメーションズ
配給:松竹メディア事業部
製作:松竹