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徒然もの書きぱん

適当にアニメとかについて書いてます。今期は何について書きましょうか。

夢の中で結び、現実で結ばれる。/『君の名は。』感想

アニメ 感想・考察

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 こんにちは。

 映画『君の名は。』を見てきました。新海誠監督の作品は『秒速5センチメートル』以来でした。あのころに感じた衝撃を、さらにさらに昇華させたような作品になっていました。僕が良いと感じたのは以下の目次どおりです。

運命を感じさせる作品づくり

 この作品は入れ替わりを通して関わった瀧と三葉が再び出会うまでを描いている。この作品で明示されていた運命とは、<忘れているのに忘れていないこと>である。要所で時間が経つと相手のことを忘れさせることで、忘れさせようとする不思議な力に抗おうとする意志を存分に見せつけていた。その上で僕たちが考えそうなデジタルで記録することや、アナログで物理的に残す方法などを試すも抗えないことも明示していた。だからこそ意志という最もあいまいなものに期待してしまっていた。
 そしてこの<忘れているのに忘れていない>という現象は、夢を見た後によく起きている身近な現象である。起きて時間が経てば経つほど、どんどん希薄になっていく。瀧と三葉が言っていた「夢のなかで入れ替わっている」という言葉通りなのである。だから記録できないし覚えられない。けれど心の中でモヤモヤとした漠然とした形で残り続ける。三葉が東京まで行き瀧に会った現実だけが本物で、それ以外は儚い夢の一部であった。だから瀧が大切にしていた組紐が三葉とをつなぐ唯一の現実であった。だから黄昏時につながったあの瞬間に紐を返すことができたのであろう。
 最後には「何かを探している気がする」という言葉が瀧と三葉の中で残り続けながら、東京ですれ違いを続けていく演出はどこか切ないものを感じさせた。そして心を掴まれたのが異なる電車に乗る二人が接近し、目を合わせ、再び離れていくシーンである。互いの顔を認識するのには十分な時間で、そのうえ現実で起こってもおかしくないシチュエーション。そのあと会うために走りだし、目を合わせても確信が持てないから気にかけながら素通りする。自分の中で眠り続ける夢とそれを否定しようとする理性。その葛藤が見ていてハラハラしたし、本当に <忘れているのに忘れていない>のだと納得させてくれた。 誰にでもある<忘れているのに忘れていない>夢が、自分にとっても運命になっていくのではないかと期待させてくれた。見終えた後に誰かに会いたくなるのはそういうことなのだろう。

彗星が見せる美麗さと隕石という現実

 この作品の見せ場でもある美術の美しさは、見とれて作品の中に没入されていくようである。満天の星空に流れる彗星、街を幻想的に染める雪、現実から乖離していくような夕暮れ、などなど。この作品の魅力の一つである。そしてその美麗な彗星の地球衝突による爆発的な破壊力。
 彗星として人々から注目される輝かしい星と、隕石として人々から注目される轟々しい石。この事実は当たり前ではあるが、美術の出来が素晴らしいからこそインパクトに残る対比であった。

キャラクターへの納得感

 これまでの新海監督作品では、キャラクターの心情が理解できないことがよくあった。自分の思考とかけ離れており、思考の理解すらも出来ないことが多かった。それに対して今回の『君の名は。』ではキャラクターの心情が理解しやすかった。男だったら女性の胸を触りたい。そういう当たり前な感情が前に出てきている分、等身大で感じられるところが多かった。
 その一方で、キャラクターの掴みを性に頼りすぎている面も感じられた。性を利用するのは直感的で理解しやすいが、多用すると不快になってくる。今回は少し表現として多用されすぎていたように感じた。そこはマイナスだった。

作品が終わってからわかるタイトルの[。]の意味

 この作品のタイトルである『君の名は。』の[。]は、瀧と三葉が最後に互いの名前を忘れていることを示していたように感じた。
 [。]は文章の区切りであり、前の文章の終わりを指す。もしも名前を知っているのであれば、 [。]では区切らずに『君の名は、』や『君の名は』となるのではないかと思う。ふたりは互いの名前を知らず、それでも出会うことができた。これが初めての出会いであり、これからふたりの関係が続いていく。ふたりにとってのタイトルだからこそ『君の名は。』なのである。

雑感

 正直ここまで影響を受けるとは思っておらず、まさに予想外という印象でした。2時間という時間は少し長く感じましたが、それ以上の高揚感が得られたので大変満足しています。僕はこの映画のポイントを<運命>だと捉えていて、それを求めている人ほど楽しめるんじゃないかなと思いました。
 僕は自分の人生が自分だけのもので終わってほしくないという願望があり、それを形にするために感想をつらつらと書いているような気がしています。夢を通して入れ替わった二人も同様で、三葉は東京という土地に、瀧は奥寺先輩への恋心に向かっていました。それは現状への不満であったり憧れであったり誰しもが感じている感情であって、その願望を叶えてくれるのが非日常なのではないかと期待している気がします。だからこそ、非日常を見せながらも運命めいた日常を見せてくれたこの作品に満足しているのだと思いました。

 完全に私用ですが、このブログを一旦お休みにしようと思います。理由としては書く目的がわからなくなったからです。それを見つけたらまた戻ってきます。それではまた、いつか。

新海誠監督作品 君の名は。 公式ビジュアルガイド

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小説 君の名は。 (角川文庫)

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君の名は。(通常盤)

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